こんにちは。突然ですが皆さん都市伝説は好きですか。私は好きです。皆さんも好きでしょう。
では皆さん都市伝説を解体したことはありますか。私は最近初めて解体しました。都市伝説って解体できるんですね。
そう、なんと「都市伝説解体センター」なら都市伝説を解体できてしまうんです!

というわけでゲーム「都市伝説解体センター」をクリアしたので作品紹介を兼ねた感想を書くなどしたいと思います。
公式サイトとかストアページに載っている範疇の情報にとどめるのでほぼネタバレなしと思ってもらって良いですが、まっさらな気持ちでプレイしたい人はブラウザバックしましょう。
あと微量ではありますがスクショも載せますのでお気をつけください。
余談ですが、私は「都市伝説テーマの作品が好き」×「ドット絵が好き」なのでこの作品の発売を大変楽しみにしていたのです。
発売を待っている間に本作の制作チーム「墓場文庫」の作品「和階堂真の事件簿」もプレイしており、ネタバレはありませんが多少そちらにも言及します。よろしくね。
*あらすじ
念視によって色々なものが視えて困っている主人公の福来あざみちゃんは都市伝説解体センターに解決を求めるけど、なんやかんやあってセンターで働くことになるぞ!
センター長である廻屋さんの手足となって不可解な事件を解体しよう!そんな感じ!
あらすじ終わり。
作品の雰囲気に関してはPVを見て感じてもらうのが一番早いと思うので私が一番好きな2nd PVを貼っておきます。
ここからは本作の良かったところを話していくぞ。
*推理パート「特定」と「解体」
本作は事件に関わっている都市伝説が何かを見極める「特定」と事件の真相を導き出す「解体」の2つのフェーズが物語ごとに入るのですが、その演出がとにかく派手。個人的に一番ツボにハマった要素かもしれない。
正解の選択肢を選ぶたびに「Great!」「Excellent!」などのド派手なカットインが入ります。これが非常に心地良い。

(このカットインのグッズとか欲しい)
派手な演出は楽しいのだ。
テキストベースのミステリーゲームには推理パートが単調になりやすいという難点があるので、演出が派手だと盛り上がるんですよね。
名だたるミステリーゲームにも演出を派手にすることで推理パートに動きを加えているものは多い気がします。
私は間違った選択肢の会話も全部回収したいタチなんですけど、本作においてはよほど会話が気になる選択肢がない限り即座に正解を選んでしまいました。だって演出が気持ち良いから……。
そしてこの「特定」と「解体」を含む推理パートは選択肢や並べ替えパズルで推理を行うので難易度は低め。

言ってしまえば総当たりでも事件の真相に辿り着けてしまうんですが、それ故に推理パートを進めていくことで「嘘でしょ!?」となる真相に辿り着くこともあるのが良かった。

並べ替えパズルで支離滅裂なことを言わされるあざみちゃん。
*テーマとしての「都市伝説」の扱い方が上手い
都市伝説をテーマにする作品は多くありますが、本作は「現実」と「非現実(≒オカルトや超常現象)」の中立として物語を回すのが上手いなぁと思った。
というのも、主人公が念視というオカルトすぎる能力を持っているので、「非現実」の存在が初めから肯定されているんです。
それ故に、その章で起きた都市伝説を「現実」として解体できたとしても、次に起きる事件が「現実」として解体できるとは限らないのではないかという底知れぬ不安が続くんですよね。
「非現実」を紐解くことがテーマの作品で生じ得る「どうせこれも蓋を開けたら超常現象は起きてないんでしょ」みたいな構えでプレイできない。
プレイしていて物語の勢いが落ちるようなことを感じなかったのですが、その要因がここにあるかなぁと。
このゲーム発売日にのめり込みすぎて12時間ぶっ続けでプレイしていたらしく、まだこんな体力あったんだと感動しました。
また、作中でも都市伝説を勘違いや噂の伝播など蓋を開けたら「現実」である場合と、説明がつかない「非現実」である場合が混在するグレーなものというスタンスで扱っているのも、都市伝説の神秘性が守られているようで好ましかった。美しいほどに中立のポジションを保っていた作品だと思います。
*独特な雰囲気とかざっくりした話
ダークな色合いのドットで描かれる雰囲気が良かった。調査パートは粗めなドットでありつつ、会話の立ち絵や一枚絵が大きく描かれるので迫力と雰囲気がありました。
和階堂真の事件簿では粗めなドット故に生まれる想像の余地が生まれており、それはそれで良かったんですが、本作で行われたメリハリのある演出も正統な進化として感じられて良いなぁと思った。
あと調査パートではキャラクターの立ち位置や向きが会話時の立ち絵に反映されてるんですよね。右からNPCに話しかけたらちゃんとNPCの立ち絵が左側に立つようになる。芸コマすぎる。
BGMも大変良い。特に2nd PVで使われていたBGMが解体パートのそれだったのは激アツだった。このBGMと2nd PV大好きだったんですよね。
ブックマークしていたのを見返そうとしたら投稿していた墓場文庫のアカウントが凍結していて必死に同じPVを探した記憶がある。
PVで流れたBGMが本編だと使われないみたいなの他のゲームだとたまにあるので嬉しかった。サントラ付きの限定版買ってて良かった〜と思ったのでした。
ミステリー色が強い故に、主人公のあざみちゃんの純粋さやクソ雑魚具合が際立っていたのも良かった。

泣き顔が似合うね。
どこか楽しむような様子で事件に向き合う廻屋さんと純粋すぎるあざみちゃんが対照的で良いんですよね。オタクくんそういう組み合わせ好きっしょ〜?
廻屋さんの「安楽椅子探偵」としての描かれ方もミステリーが好きな層には広く刺さるものだと思っているので、キャラクターの魅力も強かった作品だと思います。
トシカイくんは後半まで存在に対して説明なさすぎじゃないですか?彼にもなんだかんだ愛着は湧いたけども。
あとね、ネタバレできないけどシンプルにストーリーが面白かったです。ネタバレできないけど。
伏線的な要素がたくさん散りばめられていることに後から気づけるのも楽しかった。これ多分一周しただけだと見落としたり忘れてるものも多いんだろうな。
プレイしていて「予想通り」、「予想は当たったけど筋道が違った」、「完全に予想外」を全部味わったので良いミステリーだったと思います。
*不満点
ほぼ好みの問題ではありますが2つほど。
逆に言えば好みの問題くらいでしかこのゲームに不満点はないです。
1つ目がオートセーブも相まって取り逃がした会話の回収が困難なこと。
調査パートでは会話をすべて回収する前に強制進行してしまうシーンが一部あり、わかりやすく会話の取り逃がしが生じてしまうことがあります。
伏線や物語の結末に繋がる要素が随所に散りばめられているので、物語の進行に必要ない会話でも取り逃がすとすごくもったいない気持ちになるんですよね。
ここに関しては和階堂真の事件簿のときの任意で推理パートや次の場面に移行するようなシステムの方が好みだったかなぁという感じ。
もう一つの不満点が、作中で具体的な年数や日付を示すものが少ししか出てこないので、時系列が若干わかりづらいということ。
過去に起きた事件が鍵を握る章がありますが、その過去の事件から具体的に何年経ってるのかとかが初見時だと直感的にわかりづらかったかなという感じ。
あえて明言しすぎないようにしているようにも思えるので、これも不満点というよりは好みの問題かも。わかりづらいというだけでまったく特定できないというわけでもないので。
不満点に関しては面白いが故に生まれたものなのであってないようなものだと思います。めちゃくちゃ面白いゲームですと言い切れます。良いゲームです。
面白いんです。良いゲームなんです。面白さって大事。
限定版買っといて良かったーと思っている。
直接的な続編でなくとも、また墓場文庫と集英社ゲームズでこういうミステリー的な作品を出してほしいな〜!出してほしいな〜!
というわけで都市伝説解体センターをプレイした感想でありました。
このゲームDL版で2000円とかで買えるのでオススメです。対応機種も多いぞ。都市伝説というテーマが好きな人は買って損はないと思います。
なんて私が言うまでもなく刺さる人にはもう行き届いてそうなくらい好評みたいです。嬉しいね。都市伝説解体センターの勢いの炎を強める薪の一つくらいにはなれたら良いなと思いました。
それではまたお会いしましょう。